プログラミング講師のすすめ
プログラミング講師とは?
未来のエンジニアを育てるための基礎を担っているのが、IT教育及びプログラミング教育です。また、幅広い年齢層の人に向けてITシステムの理解とプログラミング学習をサポートしていくのが、プログラミング講師と呼ばれる職業の役割です。
世の中の便利な仕組みのほとんどは、プログラムを組みこんだITシステムによって実現されています。とくに少子高齢化で働き手の減少が予測されるこれからの時代では、さらなる効率化が必要不可欠になっていくでしょう。
しかし、経済産業省の調査によると、2030年に向けてIT人材が大きく不足していくと予測されています。この理由として上げられているのが、社会全体で急速にIT化が進むことによるIT人材、とくにシステムエンジニアの人材不足です。
システムエンジニアやプログラマーを目指す人は少なくありませんが、実際にスキルを身に付け、仕事へと活かせる人はあまり多くないのが現状です。
その理由として、いざプログラミングを学んでもそれを本格的な仕事に活かすためには、想像以上に高いハードルを超えなければならない場合が多くあることが挙げられます。
システムエンジニアにはフロントエンドやバックエンド、そしてインフラやデータベース、ネットワークなど、専門的に担当するいくつかの分野があります。
何かひとつの言語を習得しただけでは、システムエンジニアとして実際の業務に携われるほどのスキルや知識を身に付けているとは言えません。仕事というものは、実務において使いこなすことができなければ意味がありません。知識レベルで複数の言語を習得していても、実務において単一の言語すらを使いこなせなければ意味がありません。単一の言語でもいいので自由に使いこなせることを仕事では求められます。それゆえに、システムエンジニアやプログラマーは非常に大変な仕事だと言われているのです。
プログラミング講師として教えられるのは、コンピューターの仕組み、プログラミングの基礎となる知識やスキル、そして考え方等が主になります。大切なのは初心者にも正しく理解できるよう分かりやすく教えることであり、プログラミングは稼げる!ではなく、「プログラミングは大変だけど楽しくて仕事としてやりがいがある。」と思ってもらうことです。
プログラミング講師になるには?
プログラミング講師として働くためには、まず当然プログラミングを確実に行える知識・スキル・経験が必要です。
さらに、人に教えるということが前提であるため、分かりやすく伝えられる技術や、コミュニケーション力も必要です。
プログラミング講師になるために必要な資格はとくにありませんが、保有していればプログラミング講師としての案件獲得に繋がりやすくなるでしょう。
プログラミング講師を目指すうえでおすすめなのは情報処理推進機構の情報処理技術者試験やオラクルやマイクロソフトなどで推奨しているベンダー資格とよばれる資格などです。とくに、ベンダ-資格で開発言語の資格を有することは大きな強みになるでしょう。資格試験を受けることで自身のスキルレベルの再確認にも繋がるため、資格試験は積極的に取得を目指してみると良いでしょう。
プログラミング講師の概要
プログラミング講師の業務内容は、ITの基礎の講義から始まり、コードの書き方を教えるといった実務的なものを基本として、さらには、それぞれの受講者に対しての適切なフィードバックや進捗管理、さらには理解を深めてもらうための丁寧なサポートなどです。
また、大人向けの講座や子ども向けの講座など、担当する年齢やレベルに合わせた適切な指導・コミュニケーションを求められます。
ですので、教材通りに講義しても受講生の理解が追いつかなければ、その時こそ講師として腕の見せどころなのです。ここは経験がものをいうかもしれませんが、経験や技術力よりも、講師としての人間力、真摯さが求められるのです。受講生からの質問でその場で答えられなくとも、翌日の朝には答えてあげる、その真心が大切です。
もし、ここで受講生を置き去りにしてカリキュラムが進むようでしたら、
実際に講師を担った自分自身の評価にも悪影響を与えてしまうことが考えられます。
それぞれの受講者に満足してもらうためにはどうすれば良いか、どうすれば正しいスキルと知識を身に付けてもらえるかなど、プログラミング講師が考えるべきことは非常に多いと言えます。
プログラミング講師のメリット
プログラミング講座は、直接対面によって教える方法と、オンラインを使って画面越しに指導を行う方法の2つがあります。
副業として活動することも十分可能
オンラインを使ったフリーランスのプログラミング講師であれば、自身のスケジュールやライフスタイルに合わせて自宅で働けるというメリットがあります。
オンライン研修であれば副業として活動することも十分可能です。
教えながら知識を深めることができる
どんな知識やスキルでも、人に教えながらアウトプットを行っていけば、自然とスキルアップしていくことが可能です。
知識不足だった部分を強化することで、プログラミング講師としても、システムエンジニアとしても知識を深めることができます。
プログラミング講師に必要なスキル
プログラミング講師に求められるのは一般的なプログラマー程度のスキルと知識、そしてコミュニケーション力と適切に教えるスキルです。
いくらエンジニアとして優秀な人でも、プログラミングが分からない人に対して丁寧に分かりやすく伝えるためのコミュニケーション力がなければ、プログラミング講師として活躍することはできないでしょう。
受講者の中には、同じ内容を伝えてもすぐに理解できる人とそうではない人がいるはずです。そのような場合にも、理解できない人にどう伝えれば理解してもらえるのかを考え、実践していくのがプログラミング講師の仕事です。
分かりやすくかみ砕いて説明するには、プログラムに関する深い知識が必要です。プログラミングスキルもコミュニケーション力も、バランス良く求められる難しい職業がプログラミング講師であると言えます。
副業で講師業をするのは可能?
現在は社会全体のIT化とリモートワーク化が進み、インターネットを使って働いたり学んだりする人が非常に増えています。
プログラミング講座もインターネットを利用したリモート講座が非常に増えているため、講師もどんな場所からでも開講・受講が可能になりました。
つまり、プログラミング講師は講義会場に出勤しなくてもテレワークで教えることができるため、副業として講師業を行うことは十分に可能になりました。
プログラミング講師を目指そう
システム開発、プログラミングをはじめとしたIT系の仕事は、常に新しい情報にアップデートされ続けることが多く、どこまで学んでも終わりが見えることはありません。
そのためどんどん新しい情報を学ぶことばかりに意識が向いてしまいがちですが、大切なのはやはり基礎となる知識や技術であると言えるでしょう。
プログラミング講師はその基礎的な部分を教える役割を担う大切な仕事です。基礎がしっかりとできていれば、その後どんなに難しい業務が降りかかってきても上手く乗り越えることができるでしょう。
現在プログラマーやシステムエンジニアとしての実務経験を持っているなら、プログラミング講師としての働き方も積極的に模索してみるのがおすすめです。
自身が持つスキルや知識・ノウハウを活用し、これからの社会を担う新時代のエンジニアやプログラマーたちを育ててみてはいかがでしょうか。